(一肆、毎日お疲れ様。よしよし、えらい子ですね。たまにはゆっくりおやすみなさい…………………………)
その日、イグニアのまあるく、温かい余韻を思い出しながら歩く俺の脳内で、突如として女神様の声が響いた。
またご褒美タイム発動なのか!?一抹の不安を抱えながらも、今度は何が起こるのかと期待を膨らませながら意識が遠のく。
気がつくと俺は、異空間にあるロッジの広大な裏庭の芝生の上にぽつんと立っていた。
目の前にいるのは、エルヴィラ、リッカ、シエル、ユラ、イグニア。
俺の心をまあるく溶かしてくれた恩人たちだが、5人の規格外の質量が一所に集まると、広いはずの裏庭でさえどこか狭く圧迫感を感じる。
どういうわけか、今日はこのメンバーで「かくれんぼ」をすることになったらしい。
俺が鬼となり、目を閉じてカウントダウンを始める。
視覚が塞がれたことで、周囲の音が際立つ。
カサカサという衣擦れの音、パタパタという羽ばたきの音、そしてドタドタと駆けていく足音。
同時に、爽やかなハーブ、炉の熱気を帯びた鉄、吹き抜ける風、ひんやりとした夜霧、そして甘く危険な火山の熱……5人それぞれの固有の香りが、四方八方へと散っていくのを感じた。
「……もういいかい!」
「「「「「もういいよー!」」」」」
目を開け、俺は裏庭に隣接する森へと足を踏み入れた。
しかし、彼女たちを探すのはあまりにも簡単だった。
なぜなら、彼女たちの最大の武器である双丘が、それぞれの特性ゆえに見事なまでに隠しきれていなかったからだ。
最初に俺の目に飛び込んできたのは、完璧な死角であるはずの茂みから、不自然にはみ出している林檎のように美しい真円のふくらみだった。
「エルヴィラ、みっけ。胸、思いっきりはみ出してるよ」
俺が茂みをかき分けると、プラチナ色の髪を揺らしたエルヴィラが、少し頬を染めてアンダーリムの眼鏡を押し上げた。
「……私の計算式を上回る質量でした。エルフの隠密スキルをもってしても、この胸の体積と弾力を隠蔽しきれなかったのは明らかな計算外、すなわち誤差ですね」
「誤差ってレベルじゃないくらい自己主張してたけど……」
「言い訳はしません。鬼に見つかったペナルティとして、一肆様を癒やして差し上げます」
エルヴィラは俺の手を引いて茂みの中に引き込むと、爽やかなハーブの香りと共に、その美しいBカップを俺の顔面に押し当ててきた。
見つけたはずが、逆に密着アロマの柔らかさで俺の視界と論理的思考を塞いでくるのだ。
「んんっ……ちょっとエルヴィラ、まだみんなを探さなきゃいけないから……!」
俺は名残惜しさを振り切り、甘いハーブの匂いを体に残したまま次の標的を探した。
次に木箱の陰を覗き込むと、身長140センチ台の小柄な体には絶対に収まりきらない、超質量のHカップが箱の横からプルプルと揺れてはみ出していた。
「リッカ、丸見えだよ。箱より胸の方が大きいんじゃないか?」
「あははっ! 見つけたな一肆!」
俺が声をかけると、リッカは豪快に笑い、革のエプロンから爆乳をこぼれさせんばかりの勢いで飛び出してきた。
「アタシのこのドデカい胸は、どんな箱にも収まらねぇってことだ! 隠れきれなかった分、たっぷりアタシの熱を味わえ!」
むわっとした炉の熱気と鉄の匂いが鼻腔をくすぐり、ドワーフの強靭な腕力で俺の頭が引き寄せられる。
むぎゅっ、という暴力的な柔らかさの音と共に、巨大なHカップで両側から顔を挟み込まれた。
「ぷはっ……リッカ、熱い、溶ける……!」
「おうおう、もっとまあるくドロドロに溶かしてやるぞ!」
俺は炉の熱気で本当に溶けそうになりながらも、なんとかリッカの腕から抜け出した。
息を整えながらふと上を見上げると、豊かな枝葉の間に身を潜めているシエルがいた。
しかし、身軽な飛行服の胸元から、空気を切り裂くスポーティなCカップが重力に引かれて下へとこぼれ落ちそうになっている。
「シエルも上に見えてるぞ。下からだと胸の形がくっきりだ」
「あははっ! 見つかっちゃったかー!」
バサッという羽毛の擦れる音と共に、心地よい風の匂いを纏いながらシエルが木の枝から降下してくる。
「空の上なら誰にも見つからないんだけどね! 一肆に見つかったなら仕方ない、特別にアタシの羽毛で包んであげるよ!」
シエルは純白の翼で俺を包み込むと、スポーティでありながら極上の柔らかさを持つCカップを俺の胸板に勢いよく押し付けてきた。
「うわっ……シエルの胸、風みたいに気持ちいい……」
「でしょでしょ! このまま飛んでいっちゃおっか!」
つつみこむ翼の心地よさに意識を手放しそうになるが、まだ探していない子が二人いる。
さらに森の奥へ進むと、巨大な岩に自らを透過させて隠れているユラを発見した。
いや、発見したというより、質量のないはずのEカップだけが透過しきれず、物理法則を完全に無視して空中にぽっかりと浮遊していたのだ。
「ユラ、おっぱいだけ岩から出てるよ……どういう原理なんだそれ」
「ふふ……見つかっちゃったぁ……」
ひんやりとした夜霧の匂いと共に、ユラが岩からゆっくりと抜け出してくる。
「私の胸……一肆の温かい心臓に惹かれて……勝手に出ちゃうのぉ……」
「惹かれるって、磁石みたいに……?」
「そうだよぉ……ほら、捕まえたぁ……」
ユラは俺の胸にすうっと入り込むと、そのEカップの霊体を俺の心臓に直接重ね合わせてきた。
物理的な圧迫感はないのに、圧倒的な柔らかさと安らぎが心臓を直接まあるく包み込んできて、俺はその心地よさから猛烈な睡魔に襲われる。
だが、まだもう一人残っている。
ユラの強烈な睡魔からなんとか逃れ、俺はついに森の最深部へとたどり着いた。
そこに隠れているはずのイグニアは、隠れる気など毛頭なく、堂々と巨岩の上に腰を下ろしていた。
彼女の誇るIカップの圧倒的で神々しい質量と王者の風格は、そもそも隠れるという概念すら焼き尽くしている。
「イグニア、それ絶対隠れる気ないだろ……」
「ふん、何を言うか。我はこの森全体に溶け込んでいたつもりじゃぞ? よくぞ我を見つけたな、一肆よ」
「いや、目立ちすぎだって……」
「口答えは許さぬ。さあ、鬼ごっこは終わりじゃ。我を見つけた褒美をくれてやろう」
イグニアは強靭な尻尾で俺の腰を絡め取ると、甘い火山の熱気を纏いながら、俺を自らの胸元へと力強く引き寄せた。
業火のぽかぽかハグによる神々しいIカップの暴力が、俺の顔面を完全に埋め尽くす。
「イグニアっ……苦し、でも、最高に……」
「うむ、そのまま我の熱に溶けてしまうがよい……」
あらがっても全く抜け出せない俺の元へ、先に見つけられていた4人がわちゃわちゃと集まってきた。
「ずるいぞ! アタシももっと一肆を抱っこするんだ!」
「抜け駆けは感心しませんね。私の計算式にも一肆様を組み込みます」
「今度はアタシが鬼をやるさ! みんなで一肆を捕まえるよ!」
「みーんなで、まあるくしちゃおぉ……」
「えっ、ちょっと待っ——」
5人が一斉に俺に群がり、逃がすまいと全方位から抱きついてくる。
エルフの真円、ドワーフの超質量、有翼人の流線型、幽霊の霊的弾力、そして竜の神々しき体積……。
これら異なる物理法則と質量がこの一点に集中した時、俺のパーソナルスペースにおけるエントロピーは完全に飽和し、宇宙の真理たる癒やしの特異点へと到達する……!
B、I、C、H、Eカップという多種多様なサイズの双丘が俺の体を完全に圧殺し、ハーブ、鉄、風、夜霧、火山の香りが極上にブレンドされて脳を激しく揺さぶる。
(……愛しい)
もはや呼吸すらまともにできない限界を超えたまあるい暴力と多幸感に自我を完全に溶かされ、俺はだらしない笑顔を浮かべてノックダウンしていた。
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