あとりえむ

追放されたS級清掃員、配信切り忘れで伝説になる ~「ただのゴミ掃除」と言って神話級ドラゴンを消し飛ばしていたら、世界中がパニックになっていますが?~

第10話:地球大掃除

「おーい、社長! 持ってきましたよー!」 成層圏まで伸びたオリハルコンの足場を、秘書のコアちゃんがものすごいスピードで駆け上がってきた。 彼女が抱えているのは、手のひらサイズの小さな白い立方体だ。「ありがとう。……よし、やるか」 灰坂ソウジ...
追放されたS級清掃員、配信切り忘れで伝説になる ~「ただのゴミ掃除」と言って神話級ドラゴンを消し飛ばしていたら、世界中がパニックになっていますが?~

第9話:世界の天井に『シミ』がついた日

その日、東京の空が割れた。 正午過ぎ。 都心の上空に、突如として巨大な「黒い亀裂」が走ったのだ。 それはまるで、世界という絵画を引き裂いたかのような傷跡だった。「緊急速報です! 東京上空に『次元の裂け目(アビス・ゲート)』が発生! 測定不能...
追放されたS級清掃員、配信切り忘れで伝説になる ~「ただのゴミ掃除」と言って神話級ドラゴンを消し飛ばしていたら、世界中がパニックになっていますが?~

第8話:ライバル企業『ネオ・レイディアント』の逆襲

灰坂ソウジの活躍によって、『クリーン・ファンタジー社』が世界的な名声を得ていた頃。 かつての最大手クラン『レイディアント』は、焦っていた。「見ろ、この株価の大暴落を! これも全て、あの清掃員を追放したせいだ!」「ええい、打開策はないのか! ...
追放されたS級清掃員、配信切り忘れで伝説になる ~「ただのゴミ掃除」と言って神話級ドラゴンを消し飛ばしていたら、世界中がパニックになっていますが?~

第7話:新入社員は『潔癖症の聖女』

魔王城のトイレ修理(邪神討伐)から数日後。 株式会社クリーン・ファンタジーに、とんでもないクレーム客が押し掛けてきた。「貴方が灰坂ソウジですね! 神聖なダンジョンを『洗剤』ごときで冒涜する異端者は!」 社長室のドアを蹴破って現れたのは、純白...
追放されたS級清掃員、配信切り忘れで伝説になる ~「ただのゴミ掃除」と言って神話級ドラゴンを消し飛ばしていたら、世界中がパニックになっていますが?~

第6話:魔王城のトイレは、世界の終わりの入口でした

株式会社クリーン・ファンタジーが設立されてから数週間。 社長となった灰坂ソウジは、新しいオフィスのデスクで頭を抱えていた。「……なぁ、コアちゃん。なんでウチへの依頼は、こうも『特殊案件』ばかりなんだ?」 ソウジが指差した書類には、『S級ダン...
異世界転生した天才物理学者は、魔法を「量子もつれ」と定義する ~事象の地平線を越えて、地球に重力波(論文)を送りつけるまで~

第5話 ルームメイトは商人の息子

ヒルベルト魔導学院の学生寮は、質実剛健を絵に描いたような石造りの建物だった。あてがわれた部屋は、ベッドが二つに机が二つ。典型的な二人部屋だ。私は荷物を解くのもそこそこに、部屋の「四隅」を確認して回った。建物の構造材にかかる応力、カビの有無、...
異世界転生した天才物理学者は、魔法を「量子もつれ」と定義する ~事象の地平線を越えて、地球に重力波(論文)を送りつけるまで~

第4話 入学試験の大気質レンズ

15歳になった春。私は生家を出て、王都にある「ヒルベルト魔導学院」の門を叩いた。この国における魔法教育の最高峰であり、同時に、私の理論を実証するための巨大な実験設備と予算が眠る場所だ。試験会場となった広大な演習場には、数百人の受験生が集まっ...
異世界転生した天才物理学者は、魔法を「量子もつれ」と定義する ~事象の地平線を越えて、地球に重力波(論文)を送りつけるまで~

第3話 神童の家庭教師イジり

転生から10年。この世界──ヒルベルト王国の辺境伯家で過ごした時間は、私にとって「退屈」と「発見」の重ね合わせ状態だった。発見とは、もちろん物理法則の違いについてだ。この世界の重力定数は地球の約0.8倍。大気成分は窒素と酸素の比率が地球とほ...
異世界転生した天才物理学者は、魔法を「量子もつれ」と定義する ~事象の地平線を越えて、地球に重力波(論文)を送りつけるまで~

第2話 重力の糸が見える世界

思考する。ゆえに、我あり。デカルトの言葉が、泥のような意識の底から浮上する。……私は、生きているのか?事象の地平線を超え、情報へと分解され、特異点という名のシュレッダーにかけられたはずの私が?ゆっくりと、感覚が戻ってくる。だが、それはかつて...
『経費削減がうるさい』と追放されたSランクパーティの会計係、実は世界経済を裏で操る『監査の魔王』だった件 ~勇者様、装備のサブスク料金が未払いなので、その聖剣は今からただの鉄屑です~

第5話 租税回避ダンジョンと、王立国税局(マルサ)の魔女 ~勇者様、そのブランドバッグは「雑所得」ですので没収対象です~

クリフ監査事務所(という名の魔王城の一室)。 モニターには、勇者が提出したばかりの「確定申告書」のコピーが映し出されていた。「……酷いですね。小学生の計算ドリル以下だ」 私は呆れて眼鏡を拭いた。 画面には、赤字で無数のチェックマークが書き込...