あとりえむ

異世界転生した天才物理学者は、魔法を「量子もつれ」と定義する ~事象の地平線を越えて、地球に重力波(論文)を送りつけるまで~

第13話 シリコンバレーの夜明け

魔導IHコンロの発売から一ヶ月。リックの実家であるファイン商会は、嬉しい悲鳴を上げていた。「笑いが止まらねぇ!王都だけじゃない、隣国の貴族からも注文が殺到してるぞ!見ろよこの売上!プランク貨の山で溺れそうだ!」ラボの机の上に、文字通り「山」...
異世界転生した天才物理学者は、魔法を「量子もつれ」と定義する ~事象の地平線を越えて、地球に重力波(論文)を送りつけるまで~

第12話 魔導具革命とエネルギーの壁

一週間後。王都の中央広場は、かつてない熱気に包まれていた。主役は、我らがチームの営業担当、リック・ファインだ。「さあ見てくれ、奥さん!この『魔導IHコンロ』なら、真夏の厨房で汗だくになる必要はねぇ!火を使わねぇから子供がいても安心、煙も出ね...
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第11話 変人たちの研究室

「嘆きの壁」を粉砕し、筆頭教官ガストを熱力学で論破した戦利品。それが、学院の北端に位置する「第4廃校舎」だった。かつては錬金術師が籠もっていたらしいが、長年放置され、今は蜘蛛の巣と埃、そして何に使われたか不明な劇薬の瓶が転がる、文字通りの「...
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第10話 決闘!熱力学 vs 精神論

「レイ・カルツァ。貴様の行いは、魔法という聖域への冒涜だ」翌日。私は放課後の演習場に呼び出されていた。目の前に立つのは、学院の筆頭魔導教官、ガスト。燃え盛るような紅髪を逆立て、威圧的な魔力が大気を震わせている。その後ろには、退学届を手にした...
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第9話 スライムとダイラタンシー

校舎の一部を傾かせたかもしれない共振実験から数日後。私たちチーム・カルツァの面々は、召喚魔法の実技授業に参加していた。場所は、屋外の演習場。担当教官は、規律にうるさいことで有名なガリレオ先生だ。「いいか、召喚とは異界との契約だ。精神を統一し...
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第8話 共振する破壊音

最強の演算装置を手に入れた翌日。私たちは、学院の中庭に設置された特設ステージの前にいた。「おいおい、本当にやるのか?レイ」隣で赤髪の相棒、リックが不安そうに声をかけてくる。彼の手には、大量の馬券──ならぬ「賭け札」が握られていた。「相手は『...
異世界転生した天才物理学者は、魔法を「量子もつれ」と定義する ~事象の地平線を越えて、地球に重力波(論文)を送りつけるまで~

第7話 多世界を視る男

アリスという「不確定要素」と、リックという「資金源」を手に入れた私は、次なる資源を求めて学院の図書館にいた。地球への通信機を作るには、理論と金だけでなく、「高度な演算リソース」が必要だ。私の脳内計算だけでは、次元を貫く重力波のシミュレーショ...
異世界転生した天才物理学者は、魔法を「量子もつれ」と定義する ~事象の地平線を越えて、地球に重力波(論文)を送りつけるまで~

第6話 不確定性の少女

ヒルベルト魔導学院での授業は、予想通り「退屈」の一言に尽きた。教室に集められた新入生たちは、教師の指導の下、基礎的な魔力制御の訓練を行っている。「次は、アリス・ボーアさん。前へ」教師に名を呼ばれ、教室の隅で震えていた小柄な少女が、ビクッと肩...
『経費削減がうるさい』と追放されたSランクパーティの会計係、実は世界経済を裏で操る『監査の魔王』だった件 ~勇者様、装備のサブスク料金が未払いなので、その聖剣は今からただの鉄屑です~

第66話(第3部完結) 魔王マート(Demon Mart)開店 ~世界征服、完了しました(経済的に)~

数週間後。 人間界・王都の中心部に、新たなランドマークが誕生した。 かつて「冒険者ギルド本部」と呼ばれていたその建物は、薄暗い酒場も、威圧的な鉄格子もすべて取り払われ、全面ガラス張りの近代的な施設へと生まれ変わっていた。 入り口には、自動で...
『経費削減がうるさい』と追放されたSランクパーティの会計係、実は世界経済を裏で操る『監査の魔王』だった件 ~勇者様、装備のサブスク料金が未払いなので、その聖剣は今からただの鉄屑です~

第65話 冒険者へのTOB(敵対的買収) ~倉庫は物流拠点へ。カウンターはレジへ~

上場初日。 時価総額12.8兆マナという、王国国家予算の半分以上に匹敵する評価額(バリュエーション)を叩き出した魔王軍。 その日の午後。 魔王城のCFO室で、私は一枚の書面にサインをした。「……これより、株式会社デーモン・ホールディングスは...